【ロボットコラム】(第1回)(最新動向)配膳ロボットについて

最近、話題の「配膳ロボット」について導入メリット・デメリットをまとめてみました。

導入メリット・デメリット

メリット(1)人手不足の解消が見込まれる
(2)感染予防対策として人と人との接触機会を減らせれる
(3)話題性による集客力向上
(4)従来の無人搬送ロボット(AGV)などに比べて低コスト
デメリット(5)利用エリアが限定される(フロア内に限定される)
(6)人が運ぶよりもスピードで劣る
(7)完全無人化は難しい

(1)【メリット】人手不足の解消が見込まれる

今までは配膳、下膳といった作業は人の手によるものでした。フロア面積の大きいレストランなどの配膳、下膳作業は意外と重労働。そこをロボットに作業を任せることでその分の人手作業を減らすことができます。

(2)【メリット】感染予防対策として人と人との接触機会を減らせれる

コロナ禍の中、最も気を遣うのが「人と人との接触機会」ではないでしょうか?そういった作業をロボットに置き換えることで感染リスクを減らせることができます。

(3)【メリット】話題性による集客力向上

最近、導入するお店が少しずつ出てきておりますが、配膳ロボットはまだまだ「目新しい存在」ではあり、小さなお子様などは好奇心旺盛でロボットに興味を示されます。SNSなどを通じてロボット導入が話題となり、集客力の向上が見込まれます。

(4)【メリット】従来の無人搬送ロボット(AGV)などに比べて低コスト

配膳ロボットのような「無人でモノを運ぶロボット」は今に始まったことではなく、以前からAGV(Automated Guided Vehicle)やRGVRGV(Rail Guided Vehicle:有軌道無人搬送台車)といった無人搬送ロボットとして、工場などで使用されていました。これらのロボットは軌道(レールや磁気テープなど)の設置工事が必要のため、その分コストも高くなり使用できる環境が限定されていました。

この配膳ロボットは、そういった設置工事が必要ないため初期コストが低く抑えられたことにより新たな利用シーンが広がっております。

(5)【デメリット】利用エリアが限定される(フロア内に限定される)

現行の配膳ロボットでは「配膳ロボットが自らエレベーターに乗り目的階のボタンを押す」「配膳ロボット自らドアを開ける」ことができないため利用エリアとして「フロア内」に限定されてしまいますが、フロアが大きな商業施設など段差のない広いフロアでは現行の配膳ロボット導入することで十分メリットを享受することができます。

最近では、配膳ロボットがエレベータに乗って階を移動する実証実験が行われており、今後は「エレベータに人と一緒にロボットが乗る」ことが、あと「もう一歩」のところまできています。

(6)【デメリット】人が運ぶよりもスピードで劣る

やはり「配膳スピード」では人間の方が勝つため回転率の高いところでの使用よりも、下膳作業や、ホテルのセレモニーなどでテーブル毎に巡回して運搬するなどスピードネックにならないシーンでの利用など利用シーンによっては十分メリットを享受することができます。

(7)【デメリット】完全無人化は難しい

現行の配膳ロボットでは配膳・下膳でどうしても人が介在する必要があり、完全無人化は難しいと思われます。また配膳ロボットにアームを付けてロボットによる完全無人化となるとロボットの価格も高くなり費用対効果が見合わなくなります。ただ、例えばロボット到着後の受取についてはお客様のほうで行って頂く(ロボットによる音声アナウンス)、下膳は従業員がロボットに乗せる等の運用面でカバーが必要です。

配膳ロボットの活用シーンについて

「配膳ロボット」という名前ですが、活用シーンは「配膳作業」だけではなく様々な分野で活用されています。

  • 配膳ロボットを使用してアルコール消毒作業
  • カメラを搭載してのビル内の警備作業
  • 学校や図書館などの公共施設でのサポート業務
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